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「じ、時刻は23時過ぎ、更に現場は人通りも少なく外灯もほとんどない所です! そんな暗がりの中で、はっきりと笹山さんの顔が認識出来るわけ――」
「ほとんどない、というだけで完全な闇という訳ではない! 当日は晴れていた。月の光で相手の顔を認識する事も不可能ではないはずだ!」
「そ、それは……! でも……!」
たじろぐ私に対して、更に追撃する安河内検事。
「弁護人はご存じだろうか。笹山氏は植草氏に襲いかかるだけの『動機』があるという事を!」
「さ、笹山さんの……動機……?!」
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