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僅かに瞼を見開くと、
目の前には金色の長い髪をした女性が自分と化け物の間に入っていた。
「何をしているの、
早く下がりなさい!」
女性は剣の様なものを化け物に向け、
構えながら怒鳴る。
「…え…ぁ」
声も出ず、
情けなく四つん這いの姿勢で夕はその場から離れた。
その様子を素早く確認すると女性は化け物に向かって走り出した。
「はぁぁぁっ!」
瞬く間に手にした細身の剣が化け物を斬り刻む。
「ウガァァァッ!」
一つ目の化け物は、
女剣士の連続攻撃に雄叫びを揚げる。
傷を負ったことで興奮した化け物が乱雑に腕を振り回した。
次々と繰り出される化け物の攻撃のその一つ一つを見切り、
女剣士は華麗に避けるが化け物の豪腕が女剣士の剣に当たる。
「しまっ…!」
そのあまりの威力に、
女剣士は剣を弾かれてしまった。
空中に舞った剣が夕の手前に落ちる。
不意を突かれて油断した女剣士は、
そのまま化け物に腕で薙ぎ払われてしまった。
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