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咄嗟に小振りの盾によって化け物の一撃は防いだが、
その威力は完全には防ぎきれずに女剣士は近くの大木まで吹っ飛ばされた。
「かはっ………!」
女剣士は全身を襲った痛みに踞ってしまう。
夕は手前にある剣を拾うと、
そのまま叫びながら化け物に向かって走った。
「だ…駄目…にげ…て!」
女剣士は力の入らない身体を必死に起こしながら叫ぶ。
夕には何となくこの化け物を倒せる確証があった。
それは以前、
趣味で遊んでいたオンラインゲームにもこれに似たモンスターが出てきたのだ。
所々は違って見えるが似ている、
夕はその根拠の無い確証に全て託した。
「弱点はぁ…
眼だろぉ!!」
『ブシュッ』
「ガァァァァァ…!!」
大きな瞳に、
深々と剣が刺さった化け物は断末魔と共にもがき息絶えた。
夕の指先に、
経験した事のない不快な感触が残る。
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