ちがう

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高校にはいってから、特によく言われる言葉だ。 亮のように彼女を愛せる真剣さがないのだろうか。 亮は中学から一筋の彼女がいる。それまでは俺と似たような亮もその子とつきあった瞬間がらりと変わった。 「亮みてるとさ運命ってこんなんやなーっておもうんだよなー」 ジュースを飲みながらつぶやく。 「俺も本気になれる子ほしーな」 冗談半分に言うと鍋田はなにか呟いた。 「ん?なんてー?」 「なんでもねーよ!太陽にはむりっつったの!」 そーいうと鍋田は自転車にまたがる。 話しているうちにもう小屋まできていたらしい。 「鍋田には言われたくねーよ。誰ともつきあわねーくせに」 「うっせ。俺はもう……………」 しまったという顔で鍋田は口を押さえた。 「なに、鍋田好きな奴いんの?」 なぜか喉が渇いて仕方なかった。 「うん………。気づいてくれないけど」 いつもと違う鍋田の顔。それだけ真剣なんだと分かる。なぜか心にチクッと痛みが走った。 「そか。がんばれよ!相談のるし!お前なら大丈夫だよ!」 なぜか怖くなりそれ以上話すのを避けて、自転車にまたがると先にこぎ出した。 「なぁー!今日食いにいかね?」 「いーねー!肉くいてー!」 ようやくいつもの鍋田に戻ったことをホッとすると、2人並んで自転車をこいだ。くいてーなー」 やっといつもの鍋田に戻ったとホッとすると2人並んで自転車をこいだ。
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