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「何で…だろう」
静かな、そして真面目な声色だった。
「え?」
「何で言ってしまうのかわからないや」
深く考え込む岸本。
まだ話して5分も経たないというのに、何故こんなにも岸本は馴れ馴れしいのだろうか。
岸本といえば、男女問わず友人が多く、差別をしない、俗にいうイケメンという部類の人間。
そう、差別をしない。
「ああ」
わかった。
差別をしない岸本だから、私なんかに話しかけたのだ。
うんうん。
「どうしたの?」
自己満足に浸っていると、突然声をかけられた。
すごく驚いた。少し跳ねた。
「…別に、……ただ、岸本くんは優しい人だな、と思っただけです」
つい、口が滑った。
慌てて口を手で押さえたが時既におそし。
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