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そう自分に言い聞かせたセリーナは、煮物をタッパーに詰める。そして部屋をあとにし、隣のルークの部屋に向かう。
ピンポーン
おそらくアイツは、あたしを見た瞬間ドアを閉めるに決まってるわ。その前に体を無理やり捩じ込まないと……。
ガチャ
開いたっ!
ガッ
よし、成功よっ!
と思って顔を上げると、上半身裸のルークが目の前にいた。鍛えあげられた肉体は美しく、さらに汗が映えることで艶かしいとセリーナは思った。
しかし、セリーナは反射的に襲われると思った。
キャッと叫びドアから離れてしまう。その隙にルークはドアを閉めてしまった。
なんで離れたのよ、あたし!
アイツは魔法が使えないんだから本気を出せば勝てるじゃないの。
でもラファエル先生も魔法はあたしより出来ないくせに、あたしより圧倒的に強いわね……。
ああ、もうっ!!
こうなったら強行突破よ!
とりあえずドアをバンバン叩く。まだガチャリと聞こえてないから鍵は閉めていないはず。
ガチャリ
あ、かけられた。それなら【エンフォース】を使ってドアを叩きまくるだけよ!
「ここを開けなさいっ! じゃないと一晩中ドアを叩きつけるわよっ!!」
と力の限り叩き、叫ぶ。
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