198人が本棚に入れています
本棚に追加
そう言うと大人しくなったセリーナ。目で大丈夫と訴えてきたので、大人しく手を離す。
「わかったわよ。帰ればいいんでしょ、帰れば。もともと、さっさと帰るつもりだったし。だいたい、あたしがこんな男臭くて、むさ苦しい場所にいつまでもいるわけないでしょ。貴方に言われなくても帰るわよ……!」
注意したから怒鳴ることはなかったが、確実に怒りが籠っている物言いだった。少し吊り目できつい印象を受けるセリーナの碧眼からは、確かな憤りを感じた。
疑問とは突然来るもので、俺は急にセリーナなにある疑問を抱いた。それはいたって単純かつ明解なものだ。
「お前……何しに来たんだ?」
「えっ? ……あ、ああ……貴方の素振り、かなりうるさいの。だからその文句を言いに来たのよ」
「そうか……悪かったな。次からは外でやる」
「そ、そうしなさいっ!」
そうセリーナはいい放つと、脱兎(だっと)の如く走り去って行った。
そして平和が訪れる。
残りのメニューをこなし、大量にかいた汗を流すため風呂に入る。
今日は長い一日だったなぁ。いつもならこのあとに朝まで走るんだが、今日は精神的に疲れたから寝よう。
一応言うと、基本俺は一週間に一回しか睡眠をとらない。体質かどうかはわからないが、昔から睡眠を余りとらなくて良いのだ。やろうと思えば、一ヶ月不眠状態でいられる。
そこで風呂から出る。
ジンから貰った刀を研ぎ、ベットに潜る。
寝るまで一分もかからなかった。
最初のコメントを投稿しよう!