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「……というわけで、今日からお前はBランクに昇格だな」
ここはギルドの受付所。と言っても端から見ればただ酒場だが。今は俺とこの男以外誰もいない。ギルドの受付の男(白髪混じりのやせた髭づら中年オヤジ)がそう言いながら、俺に新しいギルドカードをくれた。そこにはBランクと書かれている。
「お前の年でBランクは凄い方だ。魔法が使えれば、もう一(ひと)レベル上がるだろうな」
「……そうか」
「チッ、相変わらず無愛想なガキだな、お前は。もっと喜べよ」
「“ウィザードナイン”の中に入れたら喜んでやるよ」
「……そんなランクある訳ないだろ」
俺が不敵な笑みを向けているなか、男は酒を飲んでいた。何かを隠しているようにも見える。
「ふーん」
「あー、たくしょうがねぇな。教えてやるよ。“ウィザードナイン”は存在している。がメンバーは二人しかいねぇ」
「それでよく存在が認められてるな……」
「まぁな。……そんな話は置いといてだ、ルーク。そろそろギルドの隊員として働いたらどうだ」
話をそらしたな……。
「……悪いが断る。ギルド隊員になったら、自由に動けないだろ。俺はギルドに縛られるのが嫌なんだ」
俺は、すまないと頭を下げながら謝った。
「ケッ、そうかよ。好きにしろ!」
俺は心の中で感謝の言葉をを述べ、酒場を去ろうとしたが、ある疑問が浮かんだのでまた男の所に戻った。
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