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突然周りの空気が変わる。もうなんというか……一気に重たくなった。
「今、アスナちゃんのこと、馬鹿にした……?」
アレンが低い声で言う。
「へっ?」
「どうなんだよ?」
「勿論馬鹿にしたわ。こんな汚らわしい娘は、アレンくぅんには相応しくないもの」
「そうか……。アスナちゃん、向こうで食べよ」
「えっ……う、うん!」
アレンとアスナはその場から移動する。しかし、猫なで声の女子生徒とに阻まれた。
「待ってよぉ。なんでそんな奴と一緒にいるのよ、アレンくぅん?」
「なぁ……お前、さっきからなんなんだよ……!」
アレンがうんざりしたように言う。声こそ大きくはなってないが、雰囲気だけでなく声音まで重くなった。
「くどいんだよ。俺は友だち馬鹿にする奴嫌いだから。近づいてくんじゃねぇ……!」
「そ、そんな……」
言わせてもらおう。
クソざまぁっ!
アレンとアスナは俺に着いてきた。どうやらまだ一緒に食うつもりらしい。
「お前、友だち想いなやつだな」
「グヘヘヘヘッ、いやいや、それほどでもぉ」
俺が率直な感想を述べると、アレンは気持ち悪い声を上げながら照れ始める。体をクネクネさせながら。
周囲を見渡し空いている席を探す。すると意外にも早く見つかった。そこには奴国のロイとか言うやつが一人ポツンと座っていた。
俺とアレンとアスナは、目配せをしてその席に向かった。
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