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修練場。
そこは生徒たちが魔法の練習をするために設けられた場所だ。円上のフィールドに何もなく、頭上には結界がドーム状に囲っていた。
俺たちは訓練着に更衣を済ませ、使い魔を召喚するためにここ修練場にきていた。
訓練着は一昨日に購入したものを着用している。
「生徒諸君。集まったかな。これより使い魔召喚の授業を始めるが、まず俺の話を聞いてほしい」
ラファエルが珍しく真剣な表情で話始めた。
「使い魔は……強い」
皆ズッコケた。
「ベタな反応するじゃねぇよ。いいか、真面目な話だ。さっきも言ったが使い魔は強い。それ故に危険が伴う。下手したら死ぬからな……!」
ラファエルの言葉には、かつてないほどの凄みが籠っていた。
「召喚するときは皆俺の前でやれ。契約できるかの有無は俺が判断する。俺ができないと判断した場合は直ぐに還せ。いいな!」
『うぃーす』
なんともだらしがない返事をしたクラス男子一同。
「心配するな。契約しなければ何回でも使い魔は召喚できる。……ああと、今から名前呼ぶやつは召喚するな。んじゃあ適当に始めてくれ」
そしてラファエルはクラスの何人かの名前を呼んだ。そのなかには俺も含まれていた。
呼ばれた組はとりあえず召喚してはいけない理由を聞けないまま待機となった。
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