使い魔召喚?

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 セリーナは突然ぶつぶつと詠唱を始めた。 「――万物の氷よ、我が手に宿り大気を凍らせ、静寂と死をもたらさんっ」 「そ、その詠唱はじょ、上級じゃねぇか!?」  あからさまに狼狽えるアレン。  俺にはアレンが驚く理由がわからない。 「【superior・グラシスペース】」  白銀の世界が突然現れた。気温は数十度も下がり、まともに動けない状態になる。……もしもアレンが防いでなかったら。 「なんっちゃって。【inferior・マジックシールド】」  その場にいたアル、エド兄弟とシスルは自分で防御を張っていた。だが直ぐに割れたためアレンがフォローに入る。俺の周りにも薄青い膜が覆っていた。 「嘘っ!? なんで下級の防御魔法で、上級の攻撃魔法を防げるのよ! 有り得ないわっ!!」 「スゲーぜアレン!」 「私も兄さんと同様、素晴らしいと思います」 「いや~。優秀過ぎて困っちゃいますなぁ」  セリーナはヒステリックな声をあげている中、アル、エド兄弟はアレンを絶賛している。シスルは気にくわないと言わんがはかりに、不機嫌な顔をしていた。  感謝はしているが調子に乗らないでほしい……。  アレンたちの輪から離れると、ロイと金髪ウェーブの少女が話しているのを見かけた。ロイが俺ら以外に人と話しているのは、始めて見たので少しばかり驚いた。
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