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生徒の負担を考え、そのあとの授業は無しとなった。だがほとんどの生徒たちが、修練場に立ち寄り、使い魔との交流を深めているそうだ。
俺たちは使い魔召喚してないので昼食取って雑談を交わしたりした。その後男子だけで寮に向かっている。勿論、シスルは昼食にも参加していない。
女子たちもそれなりに仲が良くなったのか、これからショッピングに行く模様。いつも顔が堅いセリーナも、表情が柔らかくなっていた。
そして俺は今ロイと話している。
「そう言えば使い魔召喚のとき誰かと話してたよな。名前なんて言ったっけ?」
「テュカさんのこと? テュカ・ムスカエルだったと思うよ」
「そうか。……生粋の貴族って感じだったのに、よく喋れてたな」
「そうだね」
ここで会話は終了した。なぜならアレンが突然ロイの肩に手を回し、ニヤニヤとしながら絡んできたからだ。
ロイの身長は本人によると197センチもあるそうだ。アレンは178センチだから、およそ20センチも違う。そのためアレンは、高い位置の肩に手を回しているので、少し不自然な格好だ。
ちなみに俺は165センチとこの中で最も小さい。身長が少しコンプレックスなのはまた別の話だ。
「ロ~イ。いつのまにテュカちゃんと仲良くなってんだよぉ。この、この! めでたいやつめ」
からかうの好きだなアレンは。
「えっ、いや、席も寮も隣だったから。……それに向こうから話しかけてくれたんだ。『奴国出身といっても宜しければ、わたくしとお友だちになってくださいませんか?』って」
「ほうほう」
「貴族にもいい人いるんだなぁと思って友だちになったんだ」
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