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「なんだよ……藪から棒に」
アレンはなんのことかさっぱり、といった素振りを見せる。しかし明らかに動揺していた。
「はっきり言って、お前は人間にしては強すぎる。魔法に詳しくない俺でも規格外だと思うくらいにな」
「……俺が人間じゃねぇってのか?」
アレンが声のトーンが急激に下がった。口調も若干悪くなっている。
「俺と始めてあったとき覚えてるか?」
俺はアレンに問う。
「入学式のときだろ」
「ああ。……あのとき、俺は過去に経験したこともないようなプレッシャーを感じた」
「……それで?」
「そのとき確信した。お前はただ者ではないとな。少なくとも魔法か剣術のどちらかは、その道でも達人レベルだと……」
しばしの沈黙が流れた後、アレンは答える。
「理由はそれだけか?」
「まさか」
「じゃあなんだよ」
「お前は不可解な言葉を使っていた」
「は?」
「俺が記憶してるのは、ドーモくんとナマハゲという単語だ」
アレンは目を見張る。半歩後ろに下がり、目を落とす。俺はさらに追い討ちをかけるかの如く口を動かした。
「両方マルシスでは聞いたことない単語だ」
「ド、ドーモくんは、俺が即興で創ったキャラクターって言ったろ?、ナマハゲだって知らないのは、ルークが無知なだけじゃないのか?」
「その可能性もある。だが……俺の師匠が昔、ナマハゲという単語を口にしたことがあった」
「だからなんだってんだよ! 知ってんじゃねぇか!!」
「俺が師匠にナマハゲってなんだよって聞いたら、こう答えた」
アレンが怒鳴り始めたのを遮り、俺は続けた。
「異世界の単語じゃわい、とな」
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