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クダンと呼ばれていた肉団子は、顔をトマトのように赤らめ激怒している。だが、俺はそんなの関係ないとばかしに言った。
「ここは俺の場所だ。邪魔だから倒す」
ナワバリを場所に変換して言ったが、大分くさいセリフになったなと後悔する。
さらに、三人はなんだコイツと言うような目で俺を見てきた。
「意味が分からないでしゅ。学校は皆のものでしゅよ。屋上もまた然りでしゅ!」
意外に正論を言う肉団子。顔のお肉をプルルンッと震わせ、顔はより一掃怒りに染まっていた。
適当に何か言い返そうと思ったが、先にモヤシが言った。
「ということは君。もしかして他の場所なら、ボクたちがこの娘に何をしてもいいのかな」
頭が切れるなコイツ……。
「さあ、どうだろうな」
「ちょっと貴方! 助けなさいよ」
「なんで?」
「なんでって言われても……なんでよ」
「そんなことはどうでもいいでしゅ。さっさとコイツを倒せば良いだけでしゅよね、シモヤ。」
「そうだね。ボクも協力するよ」
そう言った二人の手には武器が握られていた。しかしもう遅い。
「【骨動・真空波】」
こつどう・しんくうは。俺はそう呟き、拳を前に突き出した。するとモヤシと肉団子は屋上の端まで吹き飛び気絶した。抜刀するまでもないほど呆気ない弱さだ。
これくらいで気絶すんなよ……。
俺はため息をつくと早々(はやばや)と屋上を去る。はずだったのだが……セリーナが許してくれそうにない。
「待ちなさい」
……予想的中。
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