使い魔召喚?

26/29
前へ
/353ページ
次へ
 クダンと呼ばれていた肉団子は、顔をトマトのように赤らめ激怒している。だが、俺はそんなの関係ないとばかしに言った。 「ここは俺の場所だ。邪魔だから倒す」  ナワバリを場所に変換して言ったが、大分くさいセリフになったなと後悔する。  さらに、三人はなんだコイツと言うような目で俺を見てきた。 「意味が分からないでしゅ。学校は皆のものでしゅよ。屋上もまた然りでしゅ!」  意外に正論を言う肉団子。顔のお肉をプルルンッと震わせ、顔はより一掃怒りに染まっていた。  適当に何か言い返そうと思ったが、先にモヤシが言った。 「ということは君。もしかして他の場所なら、ボクたちがこの娘に何をしてもいいのかな」  頭が切れるなコイツ……。 「さあ、どうだろうな」 「ちょっと貴方! 助けなさいよ」 「なんで?」 「なんでって言われても……なんでよ」 「そんなことはどうでもいいでしゅ。さっさとコイツを倒せば良いだけでしゅよね、シモヤ。」 「そうだね。ボクも協力するよ」  そう言った二人の手には武器が握られていた。しかしもう遅い。 「【骨動・真空波】」  こつどう・しんくうは。俺はそう呟き、拳を前に突き出した。するとモヤシと肉団子は屋上の端まで吹き飛び気絶した。抜刀するまでもないほど呆気ない弱さだ。  これくらいで気絶すんなよ……。  俺はため息をつくと早々(はやばや)と屋上を去る。はずだったのだが……セリーナが許してくれそうにない。 「待ちなさい」  ……予想的中。
/353ページ

最初のコメントを投稿しよう!

198人が本棚に入れています
本棚に追加