ギルドの依頼

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 朝のSHRでのこと。 「なんとこの俺から連絡があるぞ!」  えぇーっ! とラファエルの言葉にクラスは騒然となる。入学式から約三週間目の今日。ラファエルが初めて連絡というものをしたからだ。 「簡単に言うと試験がある。武器試験と魔法試験だ。この二つの試験の合計を足した上位六名が、ギルドの依頼を受けることができる。そんなに難しくないと思うが、実戦だから十分に経験を積む良い機会になるはずだ。上位六名に選ばれるように試験頑張れ。……って真面目なこと言いすぎて、ケツの穴がムズ痒くなって来やがったぜっ!」  三週間も経つと恐ろしいもので、ラファエルに対して慣れがきてしまった。皆のスルースキルが上がっている。 「他のクラスは試験を受けるのですか?」  真面目に挙手をして質問したのはシスルだ。シスルのスルースキルも上がっている。 「いや、一組だけだ。入学試験で学年の実力別にクラスわけしたからな。今更他のクラスがやる必要ないだろ」 「そうですよね。わかりました」  シスルはラファエルの返事を聞くと納得したような顔になった。 「皆も良いか? んじゃ解散……する前に女子はパンティーをブギャッ!……や、やめ、ガベホッ!?」  俺は女子というやつらが怖い……。  皆もいつものことなので誰一人気にも止めない。 「ち、ちなみふぃ、ふぃけんふぁ、きょふだ……」 「なんて言ってんだ?」  俺は隣にいるセリーナに尋ねた。 「ちなみに、試験は、今日だ、って言ってるけど……そんな重要なこと最初に言いなさいよ!」 「そ、そうだな」  俺はセリーナの逆鱗に触れないように返事をした。
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