ギルドの依頼

3/33
前へ
/353ページ
次へ
  ★  ★  ★  場所は教室から修練場に変わる。  使い魔召喚もやった場所だ。毎日たくさんの生徒がここで修練を積んでいるらしい。 「……来たな。おーしっ、来い、【ミュウ】」 『ハイよ、マスター。……んだ? このガキらはよ』 「俺の生徒だ」 『あぁ、そういやマスター、教師になってたな。』 「おい……」  今ラファエルが呼んだ使い魔は、しっぽが長くて薄い桃色の体毛で包まれており、小動物のようで愛くるしい印象を受けた。しかし、なぜか顔につけている赤ぶちのサングラスのせいで、可愛さが半減している。 『で? なんの用だよ、マスター』 「今から生徒の武器と魔法の試験があるんだ。的になって、威力の点数をつけてくれ」 『了解だぜ、マスター』 「百点満点で頼む」 『そりゃあ良いが……ほとんど一桁になっちまうぜ』  ミュウの言葉を聞いたとたん、クラスの半数なにをぉっと躍起になった。一組は優秀な人材が集まっているから、皆のプライドも高いのだろう。  ミュウは一度霧のような常態になったあと、再び戻ると弓の的にみたいになっていた。中々様になっている。  その後試験は着々と進んだんだが、俺はあることに気がついた。魔法の試験は0点だということに。しばらくして順番が回ってきた。  武器試験で稼ぐか……。  そう思い的の前、つまりミュウの前に立って、居合いの構えをとる。  セブンスセンスを使おうかとも考えたが、あまり人前で使わない方が良いと思って自粛する。 「【居合い・勇旺舞進】」  ゆうおうまいしんとは、俺が使う技の中で最も威力が高い技だ。溜めと反動が少々長いが、当たれば相当な威力を誇る。  逆に威力はないが、居合いをしたあとの反動が少ないく、素早く納刀して連続攻撃ができる、【真一文侍】(まいちもんじ)という技もある。  バゴォォォォォンッ! と音と共に斬撃がミュウに当たった。だが的には傷ひとつない。  う、嘘だろ……!? 『う~ん。今までのやつよりましだな。初の二桁、十二点やるよ』  今までの最高が三点だったから凄いのかもしれないが、百点満点で十二点はかなり低い。相当辛口な点数だ。
/353ページ

最初のコメントを投稿しよう!

198人が本棚に入れています
本棚に追加