傭兵

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 食堂ではラーメンという、わりとメジャーな食べ物を注文した。俺はラーメンを食べながら、食堂にあるビジョン(魔法珠をホログラフィー化したもの)を見ていた。  国王が何か言うみたいだ。どうせしょうもないことだろ、と思って見ていた俺は、ラーメンの麺をふぅーふぅーしながら聞いていた。  十分に冷ました麺を口に入れ、麺が喉に流れる瞬間、ビジョンからとんでもない話を聞くことになる。 『――という理由から、エンティーク国民の十六歳になったものは 魔法学園で主に魔法について学んでもらおうと思う。ゆうておくがこれは強制じゃ』  これを聞いた俺は、ラーメンを喉に詰まらせむせる。たが、しばらくすると誰かが背中をさすってくれ、大分楽になった。本当にありがたい。はあ、ラーメンなんか食わなきゃよかった。 「君、大丈夫? もしかして十六歳だったの?」 「はい。十六歳です。……その、先程はありがとうございました」  しばらくの間むせていた俺は、少し遅れてお礼を言った。背中をさすってくれた女性はウエイトレスの人みたいだ。綺麗な翡翠色の髪の毛を後ろに纏め、団子状に丸めている。年は二十歳強といったところか。 「私の弟も十六歳なんだよ。レナソルって名字だから友だちになってね。私、ミラっていう名前だから」
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