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その後魔法試験もあったが、あえなく断念。合計点十二点となった。
武器試験では俺を越えた生徒はいなかった。アレンは同点だったが……。アレンは魔法試験で二十六点を記録し、合計三十八点と堂々の一位となった。だが俺は手を抜いたように見えた。
二位にシスルとセリーナ。四位になんとアスナ。五位テュカ? という名前の金髪ウェーブの娘。六位にロイとなった。ちなみに俺は七位だった。
別にギルドの依頼なら、受けようと思ったら受けれるから、対して気にしていない。
ロイは武器試験で素手で試験を受けられるのかとちょっと問題になったが、ラファエルが「男は拳で語り合うだろ? なら素手は立派な武器だ」の言葉により許可された。
ロイは体格を生かした鉄拳で十一点をマーク。魔法も二点を取ったため一点差で負けてしまったというわけだ。
結果、ギルドの依頼を受けれるのは、アレン、セリーナ、シスル、アスナ、テュカ、ロイの六人となった。
余談だが、アル、エド兄弟は二人でひとつらしく、四大大貴族でありながら下位を争ったという。
「なぁ、ラフさんがやってみてくれよ」
アレンのこの発言により、ラファエルも試験を受けることになった。……ラフさんってなんだろうか。いくらなんでも略し過ぎだろ、と思ったが、俺自身先生と呼べそうになく、呼び捨てもあれなので心の中で採用した。
「あらららら。良いの?先生本気出しちゃうぞ~」
そう言うとラフさんは剣を体の前に構えた。一般に剣や刀を振るうときの基本的な構えだ。
「はいっ!、やあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
大きい声を上げ過ぎて裏返ったような、奇声とも呼べる声を上げたあと、ラフさんは剣を振り下ろした。
ん? えっ、あっ……!
『いってぇ……。マスター、本当に本気出すなよ。しょうがねぇな、九十二点だ』
百点じゃないんだな……。
それでもかなり凄い点数だろう。だが、俺は見逃さなかった。ラフさんがセブンスセンスを使っていたことに……。
だが結果クラスでは、先生は凄いということが再確認された。
セリーナが「使い魔が鯖を呼んだんじゃないの」とか言って、周りの女子が同感していたところを見ると、ラフさんは女子には人気がないらしい。
まあ、変態だからな。
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