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★ ★ ★
そして現在俺はギルドに来ている。あの後、授業は滞りなく終わり、放課後念話魔法でジンに呼び出されたからだ。
俺の復讐の情報が入ったのかと思い、慌ててギルドに行ってみたが、どうやらそうではないらしい。
「つー訳でこの依頼頼むぜ」
「断る」
「なんでやねん?」
「依頼内容が気に食わない」
依頼主は俺が入学したライギス魔法学園の校長だった。なんと依頼内容は生徒の護衛らしい。……逆にそれだけしか書いていない。いや報酬額は書いてある。……まあ、当たり前か。
「まず依頼内容が曖昧過ぎる。どの生徒を何人護衛するのか。どこで何から護衛するのか全く書かれてないじゃないか」
「それはその生徒によるそうだ」
「じゃあ人数は?」
「予定は六人だそうだ」
「……ジン、他の依頼はないのかよ」
「ない!」
「あるだろ!」
「いいじゃねぇか。受けろよ。この依頼」
「なんでギルド隊員じゃない俺がジンに決められた依頼を受けなきゃいけないんだよ」
「そりゃあ、俺だから?」
はぁぁー……。っと俺は息を整えるつもりで盛大なため息ををついた。
「だいたい金ねぇだろ、ルーク」
ぐっ!?た、確かにないが……。
「だがこの依頼じゃなくても……」
「俺は仮にもギルマスの一人だぞ。俺の許可なしに、他の依頼が受けれると思っているのか」
ぐっう!? 確かにその通りだな。
「ふっ、なら貴族辺りから適当に依頼を受ければ良いだけの話だ」
「俺が貴族にルークの悪い噂を流すと言ってもか?」
ぐふっ!? ここ、こ、こいつ卑怯だろ。
「依頼料は他の依頼より高い。適当にやっとけば問題ないだろう」
「だ、だがな……」
「この依頼を受けないとルーク、お前エクストリーム金欠になるぞ」
ぐはっ!? こ、こ、ここまでか……。
こうして俺は依頼を受けることになった。
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