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部屋に戻った俺は、海のような群青色の愛刀を帯剣する。
時計を見てみると午後二時過ぎ。特に行く宛があるわけもなく俺は外に出た。
「さぁてと、どうすっかなぁ」
背伸びをしながら俺は歩き始めた。学校なんて無縁な場所と思っていたけど強制入学か……。今度ばかりは学校に行かないといけないかもな。
しばらく学校について考えていると、かなり人通りが多いところに来たようだ。すげぇ、と思わず声を上げてしまいそうになるくらい賑わっていた。さすが王都の城下町だ。
道の両側に出店や武器、教会など、都会ならではの多くの建物が、ずらりと並んでいる。前方にある喫茶店からも、いいにおいが漂ってきた。
更に奥には、この国の象徴ともいえる、真っ白な城壁の王城が目にはいる。王都の真ん中に、アホみたいばかでかい城が、気品と風格を兼ね備えて佇んでいた。
今はこの国の国民だが、別に俺はこの国の出身じゃないし、この国の王がどんなばかでかい城を建てようと構わない。
百歩譲ってそれは良い。
けど、あれはなんだよ……
俺が目を向けた先にはもう一つ“城”があった。それは城下町の外れにあり、ここから約二十キロほどは離れた場所にある。
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