ギルドの依頼

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 おい、おいマジか。あんなのどうしろってんだよ。  ドラゴンの体長はおよそ20メートル。サイズから判断して、太古の昔から存在するドラゴン中のドラゴン……古龍だ。 『なにやつだ。お主らの援軍か?』  突如、重々しい声が鳴り響いた。しかし誰から発せられたかは分からない。キョロキョロと周囲を見渡すがやはり誰もいなかった。  まさか……こいつか!? 『お主らも我が話せることに驚いているいるのか? まったく……なぜ我が話せないと思うのか、理解に苦しむな』 「当たり前だ! 魔物ですら喋られないんだぞ」  シスルが遠くで怒鳴っている。まるですべてを否定するように。 『それは人語限定での話だろう。実際魔物だって話せる。人間だけ特別だと思っているから、そのように驚くだけだ』 「黙れっ!」  シスルは自分の武器である細い双剣を抜くと、双剣先を斜め後ろの下側に向けて、肘を伸ばしながら特攻をしかけた。 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおっ!」 『無駄だ』  ドラゴンが一言発するだけで、シスルが何かに吹き飛ばされた。そのままシスルは後方にあった木にぶつかり「がはっ」っと肺から息が抜けた音が聞こえた。 『我は死なないように加減しているのだ。そろそろ諦めたらどうだ。我には絶対に勝てぬぞ』 「だま……れ」  ドラゴンはアレンを見て『そこの……人間は――』とアレンに何か言いたげだったが、アレンと目が合うとそのまま続けた。 『――利口のようだ。もともと我に対して敵意はなかったようだが』 「当然だ。ドラゴンは温厚な魔獣だと聞いたことがあるからな。もしものことがあって、シスルが危ない目に遭わないようにしてただけだ」 『なるほど。たしかに我に危害を加えるか巣を荒らさない限りは、原則人間には手を出していない。過去に人間を殺したのも数回だ。……何百年もの前の話だが』 「うそだ! うそだ! うそだ! うそだ! うそだ! うそだ! うそだぁぁぁぁぁっ!!」
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