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なのにだ。そんな遠くから見ているにも関わらず、その城はとてつもなくでかい。下手したら、王城よりでかいんじゃないかと思ってしまうほどの大きさだ。
どっからあんな城を建てる金があるんだよ……。俺は驚きを越えると、その先には疲れが来ることを知った。
「はぁ」
俺はため息をこぼし、余りにも暇だったため酒場(ギルド)に行って依頼を受けに行くことにした。
酒場に入ると、昼間っから酒を飲んでバカやっているやつがいる。よく見る光景なので、俺は無視したが……
どうやら向こうは逆に注目してきたようだ。
めんどくさいから無視を続け、カウンターの席に座った。
「ご注文は何にいたしましょうか?」
もちろんこれを言ったのはジンだ。他の客がいるため敬語になっている。しかもさっきと違う酒場なのにもう先回りしてやがった。ギルドの情報網も伊達じゃないらしい。
「依頼で」
他の客には聞こえないよう、小さい声で答えた。傭兵だとばれると、喧嘩を売られやすい。しかもこの年なら尚更だ。
その点で考えると、ジンは配慮してくれたようだ。
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