日常

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  ★  ★  ★  忘れていた。全力で忘れていた。  依頼のときは普通に話していたから、特に気を使うことなく過ごせると思っていた。 「…………」 「…………」  現在の授業は武器戦闘学。魔法の使用は原則なしの組み手だ。(互いの同意があれば、エンフォースのみ使用可能)  担当の先生はラファエル、もといラフさん。安定の怠惰の塊であるラフさんは、くじ引きで組み手の相手を決めた。普通は実力で別けるだろうに。  ここまで言えばわかるだろう。そう俺のペアはアレンだった。俺は特に気にすることなく話かけようとしたが、向こうは違った。明らかに警戒しており、腰が退けている。 「…………」 「…………」  つまり、そういうことである。  別に喧嘩している訳じゃないんだが、なぜか気まずい。元はといえば俺が悪い。俺がアレンを半ば脅すようなことをしまったからだ。普通の生徒ならビビって当然だ。 「「なあ……」」  はい、ミスファイアしました。本当にありがとうございます。  しかし持ち前のこみゅ力を使い、アレンが続けざまにショットした。 「そ、そろそろやるか。俺はやるからには本気でやるからな、ルーク」 「あ、ああ」  アレンさん……目がガチです。  学校側から支給された木剣を握るアレンに対し、俺も木刀を握る。手は汗で滲んでいた。 「いくぞ!」 「ああ」  頭の中にモヤモヤとしたわだかまりがある中、組み手を開始した。  俺もやるからには負けてやるつもりはない。
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