傭兵

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「わかりました、ミルクですね。少々お待ちください」  ……は?  『……ブハッハッハハッハッハッハッハッ!!』  途端に静寂に包まれていた酒場は、男たちの汚い笑い声で溢れかえった。 「ヒィーヒィー……プッ、やっぱ無理。面白すぎて、は、腹が……」  くそ、前言撤回だボケ! なんてこと言いやがった。酒場でミルク頼むやつなんかいるわけないだろうが。しかもミルクところを強調しやがって。  殺気を込めてジンを睨むと、ジンがウインクしてきやがた。それがキモいのなんの。キモいランキング第5位くらいじゃないか。  ジンがカウンターにミルクを置くと、またゴロツキどもが絡んできた。 「何のミルクでちゅかねー。お母ちゃんのおっぱいでちゅか?」  その言葉を聞いたら瞬間、脳内に母親の最期の光景がフラッシュバックされた。“アイツら”に殺された母親の姿が。 「あっれれー。もしかしてキレてるのかなー。お母ちゃんが大好ちゅきな、マザコンくんだったのかな」  男は普段は明らかそんな口調じゃないくせに、わざとらしく、小さい子どもと話すような話し方で喋っていた。  めんどくせぇな、こいつら……。
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