198人が本棚に入れています
本棚に追加
/353ページ
「わかりました、ミルクですね。少々お待ちください」
……は?
『……ブハッハッハハッハッハッハッハッ!!』
途端に静寂に包まれていた酒場は、男たちの汚い笑い声で溢れかえった。
「ヒィーヒィー……プッ、やっぱ無理。面白すぎて、は、腹が……」
くそ、前言撤回だボケ! なんてこと言いやがった。酒場でミルク頼むやつなんかいるわけないだろうが。しかもミルクところを強調しやがって。
殺気を込めてジンを睨むと、ジンがウインクしてきやがた。それがキモいのなんの。キモいランキング第5位くらいじゃないか。
ジンがカウンターにミルクを置くと、またゴロツキどもが絡んできた。
「何のミルクでちゅかねー。お母ちゃんのおっぱいでちゅか?」
その言葉を聞いたら瞬間、脳内に母親の最期の光景がフラッシュバックされた。“アイツら”に殺された母親の姿が。
「あっれれー。もしかしてキレてるのかなー。お母ちゃんが大好ちゅきな、マザコンくんだったのかな」
男は普段は明らかそんな口調じゃないくせに、わざとらしく、小さい子どもと話すような話し方で喋っていた。
めんどくせぇな、こいつら……。
最初のコメントを投稿しよう!