傭兵

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 俺がにやける数秒前、つまり無視をして逃げようとしたとき、俺は窓から逃げるため、窓を開けていた。どうやらその拍子に風が吹き、ジンの鼻ちょうちんを割ったようだ。  その事に気づかぬまま、俺は後ろを向き、ジンに向かってにやけていたことになる。  無論目が合い、言うまでもなくドン引きされてしまった。確かに窓を開け、片足を窓の縁にかけ、後ろを向きながらにやけているやつなんか、はっきりいってキモいだろう。 「何やってんだお前。気色悪いぞ」  俺はジンの言葉にいたたまれなくなって、逃げようとする。 「ああ、ちょっと待て」  俺はすんでのところで踏みとどまると、ジンの方を向く。ジンは真剣な顔をして俺を見つめていた。
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