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「はい」
「名前と出身中学、その他もろもろ、アピールしたいことを適当に言ったら、かかってこい」
「……ルーク・ルシュファルドです。中学校は……その、通ってなかったです。なので魔法は使えません。剣術と体術で戦います。よろしくお願いします」
そう言って頭を下げた。頭を上げると、教師は不敵な笑みを向けてきた。そして「お前がルークか……」と言う独り言が聞こえた。
「あの、何ですか?」
「いや、何でもない。それより魔法が使えないのか、なるほど。でも俺は勿論魔法は使うぜ。なんせ“魔法学園”の入学試験だからな」
皮肉なのだろうか。いやそんなことは今関係ない。とりあえず一瞬で負けないように努めるか。俺はまだこんなところで負けてられない。“師匠”との約束があるから。
「わかりました」
恐らくこの教師は相当強い。それなら――
「――先手必勝だろ」
小さく呟いた俺は全力で走りながら居合いの姿勢に入る。そして教師の目の前に来た瞬間、一気に抜刀した。しかし、あっさり大剣で受け止められる。
「“エンフォース”も出来ないくせに何突っ込んできてんだっつーの」
そう言った教師は俺の刀を上に流した。「しまった」と思ったときはもう遅く、教師は大剣を横に薙いできた。何とか刀を前に構え直撃を防ぐが、押し負けて後に大きく吹き飛ばされた。
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