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相当おもっいっきり飛ばされたらしい。このままじゃコンクリートの壁にぶつかりそうだ。そう思った俺は体を縦に回転させ、地面に刀を突き刺してブレーキをかけた。
顔上げると教師はさっきと同じ場所に立っていた。少しだけ目を見張っている。
「あらららら。今ので対外の奴は、壁にぶつかってドッカーンで気絶するんだけどなぁ」
そう言って大剣を構え直す。まばたき一回の間に、教師はこちらに向かって走ってきた。
っ!? 速や過ぎだろっ!
一瞬で間合いを詰められ剣が降り下ろされる。また何とか防ぐが、やはり吹き飛ばされた。さっきよりコンクリートの壁に近いため、そのまま直撃する。
「ぐふっ」
コンクリートの壁に対して受身をとったものの、凄まじい衝撃が体に走った。そのまま壁が崩れ、瓦礫がのり生き埋め状態になる。
「やり過ぎですよ、ラファエル先生っ!」
そんな女の人の声が聞こえた。生徒だろうか、教師だろうか。……物凄い怒号だ。
「大丈夫だろ。あいつタフそうだったし……」
「そうだったし、ですってぇぇ! いい加減にしなさいっ!! それでも貴方は教師なのっ? 同じ学校に勤めているのかと思うだけで、胸が煮えそうよっ。だいたい、貴方は昔からいつも――」
「煮える胸もないだろ」
「……絶対殺す。覚悟しなさい。骨すら残さ――」
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