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「まぁ、ちょっとどいてろ。……貧乳(ボソッ)」
ラファエルはそう言い、女の教師は今にも噴火しそうな顔で怒り出しそうだったが、他の教師に連れていかれた。
「俺の攻撃をひたすら受け流すって言ったな。なら……きちんと受け流せよっ!」
よっ、のときにラファエルは一気に駆け出し、間合いを詰める。そして突きを放ってきた。
さっき吹き飛ばされて気づいたことがある。この教師、動きは速いが単調。力はあるが柔軟性がないということだ。
それを利用すれば――
スッと刀を前にだし、ラファエルの大剣の腹に刀をあてる。体を横にステップして回避し、刀は大剣が動く向き、すなわち俺から見て後に流す。
「ヒュー」
俺が大剣を流すとラファエルは口笛を吹く。どうやら感心しているらしい。
再び向かい合い、俺は防御の体勢に刀を構える。
「やるねぇー。でも本当に攻撃してこないのか?」
「“負けなければ”それでいいですから」
おそらく負けないだけで十分なはずだ。先程から挑戦していた生徒は、ことごとく秒殺されていた。このまま耐え続ければ続けるほど、俺にとって利でしかない。
「なるほど。なら次の攻撃を受け流したら終わりにするか」
「へっ?」
「まだ実技試験を受けてない人もいるだろ? 無駄な時間が惜しいんだ」
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