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そう言って大剣を肩に担ぐラファエル。そして助走をつけて大ジャンプをし、空から体重を乗せた重い一撃を放ってきたきた。
しかし、俺は一瞬で攻撃を見極め、右に受け流す。受け流したラファエルの斬撃は地面に当たると地割れを作りながら一直線に進み、衝撃でコンクリートの壁を破壊。もし自分に当たってたらと思うような一撃だった。
「その受け流す技術スゲーな。あれか、素手でボールを取るときみたいな要領か?」
……一瞬意味がわからなかったが、そういうことか。要するに、グローブつけてキャッチボールをすれば手はそこまで痛くない。
だが素手でキャッチボールをすれば、普通手が痛いから、ボールのスピードを緩和させるために、ボールが落ちる向きと同じように手を移動させてボールをとる、ということだ。
卵でキャッチボールをすると言った方がわかりやすいだろうか。
まあ強いて言うなら、刀の腹を使って摩擦を起こし、剣を減速させることもしたけど……。
「まぁ、はい。そんな感じです」
「そうか。じゃあもういいぞ。次のやつ」
そう言われ俺はその場から離れる。
周りから
「あいつ魔法使えない癖にスゲーな」
「初めてあの教師に負けてないんじゃない?」
などが聞え来て、口角が緩みそうになったが、慌てて自粛する。昨日の教訓があるからな。
ふと前を見ると明らかに貴族であろうサラッサラの金髪に、碧眼の男が目にはいる。次に闘う生徒のようだ。
……凄くこっちを見ている。正直注目されるのは勘弁したい。もう少しですれ違いそうだ。
「あまり調子に乗らないことだね。それが今、ボクから言えることかな」
すれ違い様にそんなことを言われた。
オーケー、オーケー。
俺あいつ嫌いだわ。
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