魔法学園入学

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 どこのボンボンか知らんけど、関わらないほうが良さそうだ。ああいう奴に関わって損しなかったことがない。  ラファエルと名前も知らないボンボンの戦いをチラッと見る。……どうやら一撃で負けなかったようだ。  ふーとため息をついて俺はこの場を去った。二十キロの道のりは長い。  後日結果が発表された。実技試験が百点、筆記試験が……ゼロ点だった。……自信あったのになぁ。  ついでにクラスも決まり、俺は一組になった。そして今年一番の不運は“ボンボンも一組だった”、と言うことは確定事項だろう。  ジンに結果を報告すると無茶苦茶笑われた。「筆記試験のゼロは百より難しいのに……プッ」とまで言われた。  さらにジンは、「プッ」と口で笑うときに「ブッ」とケツでも笑うという、芸当を見せてくれた。  俺はならばという気持ちで、実技試験の結果を教えると、「当たり前だろ。お前Bランクだろ。そんなこともわからないのかだろ?」と最後が締まらないのは言うまでもない。  一組は優秀の集まりだと言うことはジンに教えて貰った。俺は魔法が使えないのに……。  今日は入学式前日。俺は宿に帰り、日課の素振りをしたあと床についた。
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