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「まぁ、前置きはこのくらいにしておいて」
「おい!」
「とりあえずこの刀返すわ」
「ああ」
俺は返してもらった刀を帯剣した。やっぱりこっちのほうがしっくりくる。そして借りていた刀を返えそうとした。
「いや、それは返さなくていい。多分必要だろ。
それとお前はいつも魔剣を帯剣してるが、それは念じれば手元から戻したり、出したりできるはずだ」
「そうなのか?」
それを聞いて刀を鞘ごと引き抜き、自分の前に出してみる。
ふーっ……戻れ魔剣。
すると魔剣は一瞬光を放って消えた。どこに戻ったのだろうか。とりあえず次は手元に出す番だ。
来い魔剣。
一瞬また光を放って魔剣は戻ってきた。スゲーな。しかし、ふと思う。前にもこうやって感動したことはなかっただろうかと。
内心で首を振る。恐らく気のせいだ。
「てか、これどこに戻ってんだ?」
俺は刀を手のひらにポンポン叩きながら、疑問を口にした。
「さあな。噂じゃセカイの狭間(はざま)らしいが、詳しいことは知らねぇな」
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