魔法学園入学

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 時計を見ると確かに八時半だった。そんなに長居したつもりはなかったが、時計が嘘をつくはずがないのでとりあえず急ぐ。 「じゃあな、ジン!」  そう言って風のように酒場から出た俺だった。ちなみに急ぎすぎてドアを壊したが、気にしない、気にしない。 「へっ、単純なやっちゃ」  ジンが時計に手をかざすと時間が戻っていった。現在の本当の時刻は八時前。ルークはジンに、まんまと騙されたのであった。   ★  ★  ★  走る。走る。走る。  五十メートルを十秒より速いくらいのペースで二十キロメートルを駆けていく。  だがこのペースだと一時間くらいかかってしまうので、更にスピードを上げた。  走る。走る。走る。  幸い王都ライギスの外れに魔法学園はあるため、市場を抜けると人通りも少なくなり走りやすくなった。  今のところノンストップだ。このままいけば恐らく三十分かからないだろう。自分で言うのもあれだが、破格の記録だ。
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