198人が本棚に入れています
本棚に追加
/353ページ
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。――ふぅー。
何とか間に合った。途中住宅街に入って人通りが増えたときは、危うく全員斬り倒すところだった。危ない、危ない。
でも思った以上に人が少ないように思える。周りはを見て判断をしたのではなく、単純に気配でわかるのだ。これも“力”の応用術らしい。
ゴーーーーーーーーン。
「ん?」
何事かと思って上を見ると馬鹿でかい時計があった。どうやらその鐘が鳴ったらしい。
「んん!?」
時計を見ると八時半だった。これじゃ一分未満で二十キロを走ったことになる。なんでだ?
そんなことはあり得ない。だが時計は嘘をつかないし、まだ生徒があまりいないのが何よりの証拠だ。
実はジンが時計の針を動かしていただけなのだが、ルークは到底知るよしもなかった。
最初のコメントを投稿しよう!