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何はともあれ現在八時半。
することがないので適当に歩いてみる。
全体的にレンガで作られている学園の渡り廊下を、次から次へと横に横断して行くと、色々な建物が見えてくる。その隙間にある細い道をさらに進み、砂が敷き詰められた台地に出て来た。
余りにも台地が広かったので、そろそろ戻るかと思って振り返れば、来た道であるはずなのに全く違う景色に見えた。適当に進むと、見覚えのないところばかりだ。
はぁ広すぎ。ちょっと歩いただけなのに、もう道に迷ってしまった。
歩き回ってもますます道に迷うだけなので、近くにあったベンチに座る。
すると二十キロの影響か、俺はいつの間にかウトウトしてしまい、遂には寝てしまった。
すぴー
(……………)
しばらくして、徐々に入学式へと向かう生徒が増え始める。周りの何人かの生徒はルークに気づいてはいるが誰も声をかけない。それほど熟睡していた。
ゴーーーーーーーーン。
と入学式開始の鐘が鳴った。ビクッとその音で俺は目が覚めた。
「うーん」
背伸びをして腰を叩きながら立ち上がった。
時計を見ると……九時すぎだ。
おいおい……まさかな。
そのまさかでした。
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