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マジかよ。寝ちまった。とりあえず体育館っていう場所に行けば良かった気がする。
だが……道がわからない。適当に進むわけにもいけないし。試しに時計台の方へ行ってみるか。
そう思って時計台の前に戻ると、校門が近くにあり、さらにその近くに矢印で『体育館』とある標識が立っていた。
その標識に従って進むと体育館らしからぬ建物の前に着いたが、外には誰もおらず、中にはざっと数百人はおるであろう気配がする。
どうする。このままいくとかなり目立つ。かといって“入学式に参加をしないやつ”ということで教師に目をつけられるのもめんどくさい。
すでにベンチで熟睡していた時点で、ルークはかなり目立っている。無論、本人は気づいていないが。
すると突然、俺は後ろから猛烈な気配を感じた。プレッシャーとでも呼べばいいだろうか。
後ろを振り返ると、片手を上げ、笑顔を向けてくる橙色の髪をした少年と、少年の背後で身を隠すように縮こまっている紺色の髪をした少女がいた。
少女の方は全体的にショートだが、顔の左半分が隠れるほど前髪を足らしている。よく見ると痣らしきものが見えた。
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