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「あ、あのー」
「「ん?」」
アスナの声に男二人が反応した。
「は、早くしないと入学式が終わっちゃうと思うんだけど……」
「……それもそうだな。よしっ、作戦はこうだ」
と言いながらアレンは作戦を説明し始める。
「まずはさっきの魔法で俺ら三人の姿を消す。魔法は得意だから安心してくれっ」
「さっき俺にバレたのに大丈夫なのか?」
「うっ……気にするな。アスナちゃんには見えてなかった。ということはルークがおかしい」
おかしくねぇよ!
「それで……隠れたあとどうするの?」アスナが聞く。
「そのあと俺が目隠しの魔法で体育館にいる人たちの目を眩まして、空いてる椅子にそれぞれ何気ない顔で座る。どうだ、完璧だろ?」
「ああ」
「感情込めろよ。ボクちゃん悲しくなっちゃうじゃないかぁ」
「うわー、凄い作戦だねー」
「アスナちゃん。そこまで棒読みだと、ボクちゃんもっと悲しくなっちゃうじゃないかぁ」
「行くならさっさと行くぞ。入学式早々、教師に目をつけられるのはめんどくさいからな」
「そうだね」
「俺なんかどうせ、俺なんかどうせ……」
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