魔法学園入学

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 教室に入ると黒板に席順が貼ってあったので、自分の名前を見つけて席に座る。  俺は一番窓際の席の、後ろから二番目の席だった。アスナは俺と丁度真反対側の席。つまり、入口側の後ろから二番目の席に座っている。アレンはその横だ。  まだ担任が来てないので教室はかなりガヤガヤしている。友だちを作ろうと躍起になっているみたいだ。  俺は特に周りの誰と話すわけもなく、ただただ腕を組んで目を瞑っていた。その格好に周りの人は誰も話しかけてこない。まぁ、かえって好都合だ。  ガラガラガラガラ 「うぃーす」  突然の出来事に沈黙に包まれる教室。ドアから入ってきたのはラファエル先生だった。 「え~と。(ポリポリ)ここの担任になったラファエル・ユミカルドだ。(ポリポリ)得意属性はないが剣術には自信があるぜ。(ポリポリ)他に聞きたいことが有れば質問してくれっ(ポリポリ)」  ……ケツを掻きながら自己紹介するコイツの神経は、一体どうなっているのだろうか。 「ん? お前らしけた面してんな。特に何もないなら一人ずつ前に来て、自己紹介しろーい。あっ、女子は勝負下着は何色か言えよ?」 「【inferior・アイスバーン】」  俺の隣の女子が魔法を唱えると、氷の塊が飛んでいく。……結構でかい。 「ちょっ、待て!やばっ、うぐっ、  ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――  ――となるとでも思っていたか生徒諸君」  顔面に氷が当たって、凄い痣ができている顔で言われても説得力がなさ過ぎるのだが……。
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