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……予想はしていたが、やっぱりこういう奴らいるのか。顔に痣がある程度が何なのだろうか。
「クズね」
突然俺の隣にいる銀髪の少女が小さく呟く。あまりにも小さいため、俺にしか聞こえてないだろう。言った本人も、俺に聞こえたとは思ってないに違いない。
「人間は自分より劣っている者を見下すことで、自分の存在意義を高めようとする奴が過半数を占める」
無視をしようとしたが口が勝手に動いた。
「えっ?」
「無論、過半数ということは、中には見下さない人もいる。ではどういう人物が他人を見下さないと思う?」
俺の問いに言葉をつまらせる銀髪の少女。答えそうにないので、回答を言う。
「答えは皆から見下されている人より、“自分が劣っている”と思っているやつだ」
「…………」
「この教室の中で彼女(アスナ)より自分が劣っていると思っているのは、彼女の隣に座っている橙髪の男とあそこの金髪ウェーブの女子。そして――」
銀髪の少女を見ながら言う。
「俺とお前だ」
……なんで俺はこんなに喋ってしまったんだ。再三だが口が勝手に動いてしまった。
「貴方は結局何が言いたいのかしら。格好つけているだけならダサいわよ。ただあたしと会話して、関係をもちたいだけなら、止めてくれない? 目障りだから」
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