魔法学園入学

31/44
前へ
/353ページ
次へ
 関係をもつ? ……意味がわからない。俺が答えないのを見て続ける。 「そういう貴族だからって理由で近づいて来る輩が一番嫌いなのよ!」  ああ、なるほど。そういうことか……。 「俺はお前の独り言に答えただけだ。それが不快だったなら謝ろう。すまない」 「あれが聞こえたの!?」  耳が良すぎて悪かったな。 「それなら、もうお前と会話すらしないことを約束しよう」 「そ、そうしなさいっ!」  もう会話はしないと言ったので、俺は答えなかった。  クラスを見ると嫌な空気のまま自己紹介は進んでいた。アスナを見ると、顔を隠すようにして俯いている。そこで、アレンの番が回ってきた。 「俺の名前はアレン・レナソル! 得意属性は光と闇だ。好きな女の子のタイプは――」  クラスの女子たちが、期待の籠った目でアレンを見つめていた。そんなに気になるのか……。あ、そうか。アレンは超絶イケメンだったな。  女子の気持ちが痛いほどわかる位、アレンは美少年なのだ。 「――俺の隣に座っている、紺色の髪をした美少女こと、アスナちゃんだ!」  超絶イケメンは言うこともイケメンだな……。
/353ページ

最初のコメントを投稿しよう!

198人が本棚に入れています
本棚に追加