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「名字の番号で名乗れ!」
「はい……。1000番です」
「ふん、1000-61番か。直ぐに父上に連絡して、お前の家族を買い取ってやる! ……そのあと皆殺しだ! クックックッ。ボクと同じ空気を吸っている罪の重さを思い知るがいい」
クズいな、こいつ……。
これを聞いた途端、俺は余りのクズさに、鼻くそでも飛ばしてやろうかと思い、ボンボンに指を向けて弾いてしまった。
しかし、“誤って”ラファエル先生の鼻ちょうちんを割ったときのように、力の波動をボンボンの顔面へと飛ばしてしまった(確信犯)。吹き飛ばされたボンボンは、そのまま廊下まで飛んでいく。
力、入れすぎたな……。
「くっ!」
ボンボンは鼻血を垂らしていたが、すぐに教室にいる皆に向かって言った。
「誰だ! このボクに不意打ちをくらわしたのは。殺してやるから今すぐ出てこい!」
殺す、殺すって。“人を殺したことない”くせに、調子に乗るなよ。
再びボンボンに指を向け弾く。しかし横から同じような力の波動が激突し、ボンボンには当たらなかった。
誰だ?
邪魔をしてきた奴がいると思われる方を見ると、そこにいたのは……ラファエル先生だった。
ラファエル先生は俺がやったことに気づいているらしく、こっちを見ていた。その顔には、『やめろ』と書いてあるような気がした。
俺はおとなしく引き下がった。少し頭に血が上り過ぎたようだ。冷静になって頭を冷やさないと……。溜め息をついて目を瞑る。修練のときによくやる瞑想だ。
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