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「くっ、私の負けだ……。殺せルーヴァス! 部下と同じように打ち首にして殺せ!」
気でも狂ってしまったのか、はたまたふっ切れたのかわからないが、己の死を覚悟したようだ。
しかし「だが……」と言葉をつぐむ。
「私も実力で将軍になった身。多少の抵抗はさせてもらうがな」
ガルドはそういい放ち、剣を自らの前で構えた。
「フッフッフッフ、ハッハッハッハッ! よくぞ言ったガルド将軍。俺が敬意をもって相手してやろう」
この発言には、ガルドだけでなく宰相のカイスや衛兵たちも驚いていた。ルーヴァスが笑っただけでなく、正々堂々、一騎討ちをすると言ったからだ。冷酷や冷徹と呼ばれる彼には珍しいことだった。
「ふっ、貴様と戦って死ねるのか。あの世にもって行くには申し分ない手土産が出来たものだ。ある意味、最高の死に様かもな」
と言いながら剣の柄を胸まで上げ、剣の側面をルーヴァスに向け、縦に構えた。
「我が名は、ガルド・ガルシア。貴殿に一騎討ちを申し込もう」
ルーヴァスは意味有り気な笑みを浮かべ、ガルドに続いた。
「我が名は、ルーヴァス・グライシスその申し込み受けて立つ」
ルーヴァスも同じように剣を構えた。
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