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扉が開く音が聞こえたかと思うと廊下からシスルが入ってきた。だが様子がおかしい。顔から覇気が無くなっている。よく顔を見るとなんかついている。あれは……キスマークか?
「おすっ、お疲れ。中々強烈だっただろ」
「先生……。知ってて保健室に行かせたんですか……?」
「怪我した生徒を保健室に行かせるのは、教師の務めだ。だいたい、ルークについて言って貰えって言ったろ? あそこは危険だからな」
あんたが教師を語るなっ。しかも危険って仮にも保健室だろ。なんだよ危険って。
「怪我もあれくらいなら平気でした! それより保健室での苦痛の方が、精神的に怪我を負いましたっ! どうしてくれるんですか!?」
「ドンマイッ!」
満面の笑みでグーサインをするラファエル先生。それを見てシスルは諦めたようだ。うなだれながら席に戻っていった。
そのシスルの様子を見て、クラス一堂思ったことはただ一つ。
死んでも保健室には行かない!
このクラスで初めて団結したのは、このときだったということは、誰も知らない。
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