散策

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 最初は中央にある城のどこかにいると思い、城の中だけ探していたが、放浪癖があるということで探す範囲が広がってしまった。  教師の数も大分減ってきた。ましてや生徒は全員帰っているだろう。  力を使ってしまおうか……。力さえ使えば、気配でだいたいの場所が特定できる。  今まで使わなかったのは、生徒や教師たちがまだ結構いたため、使ってもどうせわからないだろうと思ったからだ。  今から力を使おうと思ったが、前から女の教師が歩いて来たのでやめた。彼女に聞いてから、ラファエル先生の気配を探しても遅くないだろう。 「すみません」 「はい、何かしら?」 「一年一組担任の先生がどこに居るかわかりますか?」 「もうっ! 自分の生徒くらい自分で案内しなさいよっ!! あのバカッ! “また”私が案内しないといけないじゃないっ!!」  ……突然怒鳴るものだからビックリした。若干青い銀髪に碧眼からくり出される怒号は、おそろしいものだった。  そういえばこの先生、どこかであった気が……。 「あっ、ごめんね。君に怒鳴った訳じゃないから……。着いてきて」 「はあぁ。あの“また”とは?」
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