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「あの、エルの四剣って何なんですか?」
「えっ!? 知らないの? 剣士で知らないなんて貴方くらいよ。多分」
「四剣なら知っているんですが……」
四剣とはこの国エンティークの中で、最も優れた剣士、四人に与えられ称号のことである。勿論上から序列があり、剣神、剣王、剣聖、剣豪と並ぶ。
「その四剣の称号をアイツの兄妹、ラファエル、シエル、ノエル、ログエルで独占しているのよ」
「嘘だろ!?」
俺はうっかり敬語を忘れてしまった。つまり四人兄妹の兄妹全員で四剣の称号を獲得したことになる。どんなスーパーな兄妹なんだよ。てかラファエル先生凄すぎだろ。
「で、アイツはその四剣の剣豪。まぁ末っ子だからってのもあって、四人の中で一番弱いけど、剣術ではエンティークで四番目に強いことになるわね」
俺はそんな大物と戦ったのか。それならかなり加減されていたかもしれない。くそっ……。
正直、剣術には自信があった。同学年なら剣術では圧倒し、先生なら互角かそれ以上の戦いができると思っていた。
なのに、加減されていたのか……。
「でもねっ。そんなアイツに入学試験で結構もった生徒がいたのよっ! 貴方と同じで魔法が使えなくてね、黒髪で薄い赤目の……」
「…………」
多分俺のことだ。
「……って!? 貴方じゃない! どおりで見たことがあると思ったわっ!!」
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