198人が本棚に入れています
本棚に追加
ああ、思い出した。俺が瓦礫に埋まったときに、なんか叫んでいた女の先生だ。あのときはラファエル先生との戦いで集中していたから、あまり印象に残っていなかった。
うん、確かに貧しいな、これは。
「今私のこと、顔じゃなくて、胸を見て思い出さなかった……！」
「いえ……（やっべっ）」
「次は殴るわよ」
恐い、恐すぎる。久々に死を予感するほどの恐わさだ。とりあえずこの事からそらすべく、話題を振る。
「あ、あのときはよそよそしい感じでしたけど、今はアイツ呼ばわりなんですね……。昔からの知り合いなんですか？」
俺が言った瞬間、しまったというような顔をした女教師。だがすぐ元の表情に戻って言った。
「アイツとは小さい時からの幼馴染みなのよ。でも、アイツがあんなのだから、知り合いって知られるのが恥ずかしくて……。だから他人行儀にしていたのよ」
うん、ちょっと理解できる気がする。
「あっ、これ他の人に言ったら殺すから」
……チビるくらい満面の笑みで殺すって言われた。
「わ、わかりました」
最初のコメントを投稿しよう！