散策

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「そうよ、コイツは関係ないわ」  うんうん、全く持ってその通りだ。 「でもミリーナ。なんかまだ、ぶつぶつなんか言ってるぞ」 「頭撫でてあげればおさまります」  こうか? と言いながらラファエル先生はミリーナ先生の頭を撫でる。 「ひゃっ!? や、やめなさいよっ!」  が、やめろと言われたので、ラファエルはすぐに手を離す。 「あっ」  するとミリーナ先生は、名残惜しそうにラファエル先生の見つめていた。 「やめちゃ駄目ですよ!」 「えっ? でも本人嫌がってるじゃないか」 「根は嫌がっていませんから、お姉ちゃんが落ち着くまでずっと撫でておいてください」  それを聞いてラファエル先生は、再びミリーナ先生を撫で始める。こんどはミリーナは何も言わなかった。 「にしてもお前ら姉妹変わったな」  ミリーナ先生の頭を撫でながらラファエル先生は言う。 「……何がですか?」 「昔はミリーナは俺のこと“ファーくん”って呼んでたのに、最近は貴方だし。セリーナだって昔は俺のこと、おに――」 「ダメェェェェェェェェェェッ!!」
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