散策

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「お前……刀どんだけ振ってんだよ」  こんなの普通じゃあり得ない。修練に修練を重ねたんだろう。こんなの並みの努力じゃ無理だ。 「わかんないです」 「まあいい。で、その師匠とやらはどこに居るんだ?」 「……亡くなりました」  は? 「わりぃ、不謹慎だった……」 「いえ、師匠の最期は俺が看取ったんで、もう乗りきりました」 「そうか……。剣術もその人に教えてもらったのか?」 「う~ん、そうですね。体術や刀を持ったときの動きはそうですけど……刀の振り方は師匠に会う前に自分で体得したものです」  ということは我流か、とラファエルは一人で納得する。師匠とやらが教えてくれた体の動きが、今のルークの一切無駄のない剣術を生んでいるのだろう。 「話が逸れたな。本題に入ろう。ルークはなんて呼んでいるか知らないが、俺は“あの力”をこう呼んでいる」  ゴクッとルークが唾を飲んだ音が聞こえた。 「“セブンスセンス”と」
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