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コイツ……俺が言ったこと覚えているのだろうか。俺はお前と会話しないと言ったはずなんだが。
「ふんっ、そう言えば貴方、あたしと話さないって言ってたわね。まぁいいわ。どうせどの寮に入ればいいかわかんないんでしょ? そこで朝まで立っときなさいっ!」
キンキンわめくな。お前は俺の耳を破壊する専門家か。
セリーナは言うだけ言って、『1』と書かれた寮に向かっていった。多分クラスごとに寮の場所を分けているのだと推測し、セリーナについていく。
寮に入るとセリーナに睨まれたが無視する。
「ちょっと! なんでここだってわかったわけ!? 教えなさいよっ!」
俺は今、誰も見えん。
「あたしが特別に、あたしと話していいと許可したあげるから教えなさいっ!」
「(はぁ)五秒前にお前が自分で言ったろ?」
「なっ!? あ、あれは……嘘よ、嘘。貴方の寮はここじゃないわ!!」
「もう遅い」
「なんでよっ!」
「あそこに俺の名前がある」
そう言って指差したのは、壁に貼られている名前の一覧表。その下に鍵が入っているケースがあった。
俺は名前の横にある自分の番号の鍵を取る。鍵には『53番』と持ち手の部分に書いてあった。それを確認してポケットにしまう。
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