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頭がガンガンする……。
ここは……部屋の布団の上では……ない?
目を開こうにも、なかなか瞼が持ち上がらない。
手で目を擦ろうとしたその時、
「!?」
これは……縛られている?
手だけではない。足もガチガチに縛られている。
全身の力を瞼に集中して目を開けてみた。
ここは……どこだ?
外なのは間違いない。周りは木々に囲まれ、人の気配はなかった。
人の気配どころか、道路も建物も見えない。どこかの山奥だろうか。
下を向いて、自分が置かれている場所を確かめた。
すり鉢状の、鳥の巣のような場所……いや、これは鳥の巣そのものだ!
その時、頭上からバッサバッサと羽音が聞こえてきた。見上げると、ギョロリとした目玉に漆黒の翼、大きさはゆうに人間の大人の2倍はあろうかという、妖怪のような鳥がこちらに向かって飛んでくる。
「な、何あれ!?」
声に出して言ってみるが、誰も答えるはずがなかった。
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