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中央に長机を二つ合わせたものがありパイプ椅子が5つ。机の上にはなぜか地球儀が一つポツンと物寂しく置かれている。彼女は地球儀をその透き通った手のひらで軽く撫ぜてくるくると回転させる。そしてそのまま机の淵をなぞりながら左奥のパイプ椅子にそっと静かに座る。俺は何をどうしていいかも分からずに呆然と入口で立ち尽くしたまま彼女の妙に艶かしい動作を一つ一つを観察するように見つめている。やがて彼女はカバンの中から一冊の雑誌を取り出す。物言わぬ彼女に好意を抱いたわけではない。ただ奇妙なその挙動や汚れ一つないこの学校の夏服のシャツやスカートからヌルりと映える白すぎる肢体に魅惑されたのではない。単純な好奇心だ。それだけでこの一言は十分だ。「それ何?」視線が交差する。
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